着物ドールリウム®︎は、沢山の思いやりと奇跡が重なって誕生しました。
誕生するまでの1年8か月の軌跡をお話しさせてください。
2017年2月19日(日)
明治24年創業の和紙製品卸にして折り紙の老舗、いわゆる折り紙のダイヨの大与紙工(大阪市天王寺区)が「倒産」のニュースをたまたま目にしました。
その日は、その年の5月にNYメトロポリタン美術館にて展示発表予定の資材の買い出しに行こうと思っていた初日。
資材買い出しをしながら、多くの日本人が慣れ親しんできたこのダイヨの折り紙、和紙にありがとう、の感謝の気持ちを込めたフラワーオブジェを、NYで最後にお披露目したいと強く思いました。
2017年3月中旬
破産管財人さまを探し、お手紙を出しました。
後日破産管財人さまよりご丁寧にお電話をいただき、倒産したダイヨの折り紙・和紙の在庫全てを買い取った総合商社の会長さまをご紹介いただきました。破産管財人さまからいただいた温かいお言葉:
「大量の在庫が、NYのメトロポリタン美術館という光栄な場で飾られて沢山のお客様にご覧いただけるなんて、ダイヨの会長さん、きっと大喜びしますよ。
そんなふうに使っていただけるなんて、こちらこそありがとうございます。
買い取ってくれた会社の会長に繋ぎますね。」
2017年3月23日(木)
在庫を全て買い取った総合商社の会長さまよりご連絡いただきました。
「私もそしてフラワー装飾に携わる生徒さまたち全員が、ダイヨの折り紙に幼い頃から大変お世話になってきました。
最後に恩返しの気持ちを込めて、ダイヨの折り紙・和紙でつくるフラワーオブジェを制作したいと願っています。
この春展示予定のNYメトロポリタン美術館でどうかお披露目させてください」
とお話しさせていただきました。
折り紙とは全く無関係の総合商社(本社:神戸)の会長さまです。
6トントラック数台分の折り紙を商売に使用することは一切考えておらず、幼稚園、小学校、老人ホームなどで使ってもらおうと思っているところだったそう。
少しでもこのダイヨの折り紙たちがNYメトロポリタン美術館でお披露目されるなら喜んで、とおっしゃってくださいました。
2017年3月25日(土)
大阪支店から、大量の素敵な折り紙・和紙・千代紙が私のサロンに届きました。
全て無償で譲り受けたものです。とても心優しい会長さまのお人柄、考え方にも感動してしまい、そんな方から譲り受けた折り紙を使用させたいただけることを心から幸せに思いました。
その日に、NYメトロポリタン美術館フラワー装飾に携わる生徒さまたち(29名)に、この一連のお話しを以下のようにさせていただきました。
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「今回は、私たち誰もが小さい頃からお世話になってきました ダイヨの折り紙に、ありがとう の気持ちをいっぱい込めて、国内方々にも懐かしんでもらいたい、海外方々にも日本の伝統文化を味わってもらいたい、という気持ちでつくりあげたいと思っています。
私たちがつくるオブジェで、ほんの少しでもダイヨの折り紙に恩返しができたら、国内海外方々が喜んでくださったら、とても素敵なこと・・
今回のフラワーオブジェには、この想いを皆で乗せてひろく発信していきたいと強く思っています。」
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生徒さまたちからのお声(一部)
私も大変お世話になった懐かしい折り紙…☆大切に大切に思いを込めたいと思います。」
自分も小さい頃とてもお世話になった思い出のある折り紙です。
日本の折り紙、和紙の素晴らしさを海外に皆さんで届けられる事嬉しく思います。」
これこそ、日本の心意気。
折り紙や和紙の文化も一緒にお披露目出来るのは素晴らしい事ですね。
そんなプロジェクトに参加させて頂け光栄です。」
自分も子供たちもお世話になった
折り紙を使ってオブジェが作れるなんて素晴らしいです。」
この折り紙、まだ実家にあったような気がします。
こんな素敵なお話をお聞きしたら感動しました!
大切に使わせていただきます。」
一生懸命心を込めてお作りさせていただきます。」
こんな形でダイヨの折り紙に恩返し出来るなんて思ってもみませんでした。
ありがとうございます。」
日本人であることが嬉しくなりました。
私も、こちらの折り紙はたくさんたくさん使いました。
このような温かいお気持ちを譲り受け海外で御披露目できるなんて・・」
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2017年4月4日(火)
会長さまから再び大量の折り紙が届きました。
小さい頃、貴重でなかなか使うことができなかった金・銀の折り紙。
その金・銀の折り紙がA4サイズになっているものも沢山いただきました。
2017年4月下旬~
複数のメディアがこのストーリーを取り上げてくださいました。
(読売新聞・毎日新聞・東京新聞・神奈川新聞・田園都市リビング・タウンニュース・横濱タウン紙・FMヨコハマ生出演・FMサルース生出演)
2017年5月15日
NYメトロポリタン美術館にてフラワーオブジェ展示発表。
「お花と折り紙で織りなす日本の春」
生徒さまたちと折ったダイヨの折り紙・和紙でつくる1000輪の桜と500羽の鶴をたっぷりデザインしています。
2017年6月下旬
NYでの展示発表を無事終え、帰国してから約1ヵ月。
私のサロンにはまだまだ大量の譲り受けたダイヨの折り紙・和紙が残っていました。そしてメトロポリタン美術館フラワーオブジェ制作を手掛けていた約2か月間、多種多様の高品質で手触りも良く、なにより美しく品のある日本製の和紙にすっかり魅せられていました。
正直、この時まで折り紙や和紙にそれほど感激した覚えはなく、なんとなく使用していただけの私。
この感覚は私だけでなく、このフラワーオブジェ制作に携わった生徒さまたちの多くも実感したことでした。
この時から東京五輪まで約3年。
日本の繊細で美しい文化を、フラワーデザイナーという立場で各地域のお花の先生方々と共に少しでも普及していきたい・・
NYでお披露目はできたけれど、今度は国内で!
日本人の多くがお世話になってきたダイヨ。
譲り受けたダイヨの折り紙・和紙を大切に、国内方々にこそ 喜んでいただきたい、懐かしんでいただきたい と改めて思うようになりました。
2017年9月
全国のお花の先生で繋ぐ「お花と折り紙で拡げる着物ドールの輪」プロジェクト発足。(2018年9月末までの1年間の活動)
このプロジェクトを発足させてからも、多くのメディアから温かい応援をいただき取り上げていただきました。
(読売新聞、朝日新聞、神奈川新聞、タウンニュース、FMヨコハマ生中継、テレビ神奈川放映)
東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、茨城、宮城、静岡、愛知、三重、富山、新潟、兵庫、京都、大阪、福岡、沖縄県の 計17都道府県のプロジェクトメンバー50名と共に1年間活動をしてきました。
2018年9月末
「お花と折り紙で拡げる着物ドールの輪」プロジェクトは予定通り終了。
プロジェクトは終了しましたが、その後も各地でダイヨの折り紙・和紙でつくる着物ドールを拡げてくださっているプロジェクトメンバーさまたちが多くいらっしゃいます。
それほどメンバーさまたちのお手元にも譲り受けたダイヨの折り紙・和紙がまだ残っていて大切に使ってくださっているのです。
私は・・
2017年9月にプロジェクトを発足させてから、少しずつ人生観が変わっていきました。
これまで和紙に特別な感情は持ってはいませんでしたが、高品質で美しいダイヨの折り紙・和紙を手にしてから、もっともっと日本の和紙の素晴らしさに触れていたい、届けていきたいと思うようになりました。
それ以来、和紙人形づくりを学び続けています。
そして並行して、美しい着付けも学んでいます。
まさか自分がこんな気持ちになるなんて、2017年までは1ミリも考えたことはありませんでした。
プロジェクトが終了しても、この着物ドールを違う形で多くの国内・海外方々にお届けしたくて、プロジェクト活動中、構想を練り、試作を重ねていました。
2018年11月
日本の古き良き伝統や文化を持つ美しい和紙人形と、巷で大流行中のハーバリウムのコラボレーション=現代を掛け合わせた「着物ドールリウム®︎」を誕生させました。
着物ドールリウム®︎とは、着物ドール と ハーバリウムの両方からとって名付けたものです。
全国各地の着物ドールリウム®︎認定デザイナーさまと共に、ご当地着物ドールリウム®︎として日本の美を、お花と和紙でお届けしていければ嬉しいです。
譲り受けたダイヨの折り紙・和紙はまだ私、そしてプロジェクトメンバーの手元にも残っています。
新たに誕生した着物ドールリウム®︎にも、今もなお大切に使わせていただいています。
(2019年2月現在)
2018年12月
着物ドールリウム®︎は誕生してまもなく、数々のメディアで取り上げられています。
(読売新聞、神奈川新聞、ブライダル産業新聞、Yahoo!ニュース、LINEニュース、PreFla、ベストフラワーアレンジメント、FMサルース、タウンニュース、ひろたりあん通信)
2019年1月~
私たち着物ドールリウム®︎認定デザイナーが、この目新しい日本のお姫さま「着物ドールリウム®︎」で、地方創生もテーマに盛り上げていけたら幸いです。